『ハンズ・オフ』と『ハンズ・オン』★
みなさま、『ハンズ・オフ』と聞いたことはありますか?
最近の母乳育児支援で推奨されていることなんです。
私が助産師になった約20年前、
授乳室でママの授乳(主にラッチ・オン)を順番に介助し、
ママたちは助産師の授乳介助を順番待ちしている状況でした。
そして『授乳のお手伝いはお任せください!』は何日も続き、
退院の頃になんとか自立しているママもいれば、
退院の時にも不安で介助が必要なママもいました。
話は変わりますが、子どもの自転車の補助輪外しの時のことを想像してください。
補助輪を外したはいいけれど、そのままでは転びそうで親は心配です。
後ろから自転車を持ち・・・離したら確実に転ぶ・・・。
信頼できずにいつまでも自転車を持ち続ける・・・。
思いきって手を離さなければ、
子どもはいつまでも自転車には乗れるようにならないのです。
転んで立ち上がって何度も自分でやっているうちにうまく乗れるようになるのです。
「転ばないようにしっかり支えておくからね!!」の図☆
さて、何が言いたいのかと言いますと、
いつまでも手取り足取りでは自立ができないということなんですね。
退院時の目標はなんでしょうか?
『ママと赤ちゃんが元気に退院してくれること!』
それはもちろんです。
それと同時に、『ママが自信を持って育児を実践できること』だと思います。
じゃあ具体的に『ハンズ・オフ』ってどうすればいいの?
授乳を放っといていいの?
JALCが出版している母乳育児支援スタンダードによりますと、
『ハンズ・オフ・プログラム』とは、
支援者は妊娠中または産後に教育キットを用いて授乳姿勢と吸着の原則を示し、
母親はビデオを見ながら赤ちゃんに吸着させ、
支援者は
「温かい目と態度で見守る」
「最小限手を添える」
「自ら学べるようにする」
ことを原則に関わる、とあります。
ママたちは、授乳の時のポイントを絵や図・動画で視覚的に学習します。
私たちは、効果的なラッチ・オンの図を使って説明したり、
ベビー人形やおっぱい模型を使ってお伝えします。
ママは両手を離して助産師にお任せ〜スタイルは禁止。
私たちは、お手伝いするにしても
ママの手の上から手を添える(ハンズ・オン・ハンズ)、
正面よりは背後からお手伝いする方が良いでしょう。
海外では、出産後当日〜2日で退院する場合が多いのです。
(その後の継続した訪問はありますが)。
『ハンズ・オン』より、
ママ自身に早く自立していただく『ハンズ・オフ』が主流になったと思います。
小さめの赤ちゃん人形はとても役に立ってくれます♡
日本では、ありがたいことに産後4〜5日の入院期間があります。
比較的長い入院期間がある日本では、
最初は『ハンズ・オン』で正しいポジショニングやラッチ・オンを習得してから、
早期に『ハンズ・オフ』にしていくやり方もありだと思います。
逆に言えば、ママに自立していただくのに4〜5日の猶予があるということです。
ママと赤ちゃんを信じて手を離しましょう!
私たちが正しい知識や技術を身につけて、
温かい目と心で授乳を見守っていきましょう。
ママと赤ちゃんには力があるのです!
★Birth Keeper 竹内