toggle
2018-12-03

補腎(ほじん)

 Birth Keeperのリュウです。
 
昨日、産後に腰の痛みが出現した患者さんの往診に行ってきました。
 
産後は授乳・子育てがあり、身体を休める事ができなくて、つい無理をしてしまいます。
 
無理が重なると、必ずどこかで代償が行われます。その代償の結果が腰の痛みや身体の不調と思ってくださいね。
 
出来るだけ周りの人がサポートし、お母さんの身体が回復する時間を確保してあげてください。
 
産後にしっかり身体を回復しないと、時が経った時に身体の不調が出やすくなります。
 
 
 
今回のテーマは『補腎(ほじん)』について説明いたします。
 
『補腎(ほじん)』とは、文字通り『腎を補う』事です。
 
腎を補うとはどういう意味なのか?
 
『補腎(ほじん)』東洋医学で使われている言葉です。
 
東洋医学を学んだ人なら分かりますが、学んでいないと理解しにくい概念です。
 
まず東洋医学でいう『腎』について説明していきます。
 
『腎は精を蔵し、成長・発育・生殖をつかさどる。』
 
という説明がとても多いです。
 
東洋医学の教科書に書かれている内容では
 
1.蔵精
 ①精を貯蔵する
 ②生命活動を調節する
2.主水
 ①水分代謝を調節する
3.納気
 ①深く吸い込ませ、呼吸のバランスを保つ。
 
と書かれています。
 
 
 
腎は生命エネルギーだと思ってくれて構わないです。
 
東洋医学では『先天の精』『後天の精』という言葉があります。
 
『先天の精』は両親からもらう生命エネルギー
 
『後天の精』は飲食物や大気からもらうエネルギー
 
この2つの精を腎が貯蔵していると思ってください。
 
 
妊娠・出産は子供にお母さんの腎精(生命エネルギー)を上げる事になります。
 
以前、鮭の産卵について放送されていました。
 
鮭は産卵のために海を渡り、川を上り産卵場所までかなりエネルギーをかけて移動していました。
 
産卵場所に辿り着いたメス鮭は受精・産卵を行い生命を繋いでいました。
 
産卵後のメス鮭の身体はボロボロになっていました。
 
メスの鮭は産卵後、身体を回復される為に活動を停止し、エネルギーを消費せず、身体の回復を待つのだそうです。
 
身体が回復したら、次の産卵に向けて活動を開始するといった内容でした。
 
命を繋ぐ(産卵)は本当に命がけであると思った映像でした。
 
 
 
出産後のお母さんは、1年ぐらいはゆっくり身体を回復させる事が必要ですが
 
お母さんをサポートする産後の環境が整っておらず、つい無理をしてしまいます。
 
そして、腎精が回復されない状態で日々を過ごし、身体が悲鳴をあげる様になります。
 
1人目は大丈夫だったけど、2人目はなんか身体の調子が悪くて…
 
とよく聞きます。歳のせいかな?と思っている方が多いです。
 
確かにそうかもしれませんが、産後いかに身体を回復する時間を設けれたか?で違いが出て来ます。
 
妊娠・出産・産後・子育ては、お母さんの腎を補う事=補腎(ほじん)が必要です。
 
腎を補うには
 
1.納気(のうき) 深い呼吸です。腹式呼吸です。
2.腎を補う食事です。
 
忙しい日々を過ごし呼吸が浅くなっていたり、身体作りに必要な栄養素を摂取出来ていない事が多いです。
 
次回は具体的な内容について書いていきます。
 
リュウ
関連記事