toggle
2018-05-27

青空レストラン de 母乳育児★

 先日、梁と二人がかりで訪問させていただくということがありました。
 
それはなぜか・・・
 
この日が『チャンスの日』だったのです。
 
 
 
さかのぼること2ヶ月半前。
入院中から吸啜困難だったママと赤ちゃんがいました。
 
 
退院時は哺乳ビンからしか飲まず、
赤ちゃんの舌は舌小帯がバチっとあり、からみづらい状態でした。
 
 
口は開いても舌を絡められない。
そして乳房が張っており、さらに吸付けない状態に・・・。
 
 
退院後に訪問開始。
ママはひたすら赤ちゃん&私たちを信じてケアを続けてくださいました。
 
 
またこの赤ちゃんが本っっ当に聡明で、
入院中から完全なる乳頭混乱を起こしていたのです。
 
 
哺乳瓶やシールドなら受け入れOK♡
でもひとたび直接おっぱいを近づけると・・・。
ちょっと口に触れるだけで違いがわかるオンナ。
全力で拒否して泣き叫びます。
 
 
哺乳瓶を使わないという選択肢もあったのですが、
乳頭の状態から時間がかかることが予測されたのと、
赤ちゃんが小ぶりなので無理はしたくないという思いもありました。
 
 
「どうやったら吸えるのか・・・」
 
 
ママとパパはご自分たちで考えられ、
まずはシールドを購入されました。
 
 
母乳相談室の哺乳瓶の乳首を装着して吸えてはいたのですが、
ママさんは、
少しでも乳房に近いところ(薄いシールド)で飲ませた方が
直接おっぱいに吸い付いてくれる日が近い気がする・・・と
違うシールドを試みたそうです。
(シールドについては後日ブログに書きたいと思いますが、
賛否両論あるとは思います)
 
 
私たちも、このママと赤ちゃんの場合は
このやり方を尊重しよう・・・と判断しました。
 
 
毎日の授乳で、
赤ちゃんの性格や一番合った方法をわかっているのは
ママさんだと思ったのです。
 
 
この「シールド」を育児用品売り場で買ってきたのは
なんとパパさん!!
これならば・・・と選んできてくださったそうです。
 
 
ママと赤ちゃんのために何が良いかを考え、
育児用品売り場に行き、シールドにたどり着いたそうです。
なんて素敵なパパさんなんでしょう☆
 
 
このご夫婦は、お二人とも体育会系で、
目標に向かって一直線に努力をされる方でした。
訪問するたびに
「次に何かできることはありませんか?!」
「次の課題をください!!」と。
 
 
努力を重ね、最初はうまくいかなかった薄いシールドで
ゴクゴクと飲めるようになりました。
しかし直接母乳にしようとシールドを外すと、
一瞬で気付かれます。
ネムネムタイムを襲い、
ごくたま〜に、直接吸い付いてくれたら大ラッキー☆
という日々を過ごしました。
 
 
2か月間は同じことに繰り返しで、
パパとママはやきもきされたのではないかと思います。
吸啜困難の時にできるケアは、搾乳とスキンシップ(+整体)。
早く変化をくれ〜!!状態だったと思います。
 
 
しかしこの2か月間の努力が実を結び、
2か月ちょっと経った頃におっぱいが激変したのです。
 
 
乳頭がものすごくソフトになり、
射乳もバンバン。
催乳がすぐに起こるおっぱいになりました。
何よりも赤ちゃんが大きくなり、
舌が前に出てくるようになったのです!
 
 
『今がチャンス!!』 
『アタックチャンス!!』
 
 
しかし、聡明な赤ちゃん。
一筋縄ではいきません。
こりゃ一人では無理だ・・・
 
 
梁に、「今がチャンスです!!」と伝え、
一緒に訪問することに。
 
 
しかし、
いつものソファーではいつもの授乳だと赤ちゃんはわかっています。
赤ちゃんが賢いので、それはなおさら(>_<)
 
 
「ここで飲むときはいつものシールドあるんやろ〜」
「はよ出してや〜」
って顔をしています。
半目を開けてこちらをチラッと確認することも・・・
 
 
梁は「外で授乳してみましょう」と。
 
 
なんと、ベランダに椅子を出し、授乳が始まりました。
眩しいほどの晴天の日。
『青空レストラン』です。
 
 
 座り心地の良さそうなイスをベランダに・・・♡
 
 
始まってすぐに、異変に気づく赤ちゃん。
5分以上泣き叫びながらも、
これしかないんだよ!
あなたはできるよ!と
話しながら教えていきます。
 
 
梁のやり方、めっちゃスゴイ・・・
マンション中、いや豊中市中に泣き声が響きます。
(ご近所さん、頼むから通報はせんといて・・・)
 
 
「今日はこのままスパルタでやってみようと思うけど、
 どうですか?
 気持ち的にしんどくない?」
途中、梁がママに確認します。
ママはすかさず、
「ウッス!!自分は大丈夫ッス!!」
と答えます。
*もっと上品にお返事くださったのですが、
この時のママはこんなイメージのスポ根マンガのように、
とても気合いが入っていました
 
 
そのうち赤ちゃんの様子が変わってきました。
ママの顔をチラチラ見て、
「ここはいつもの場所と違う・・・」
「これしかないんかい。しゃ〜ないんかい。
 そんなら吸ってみよか・・・」
 ・・・・ゴクゴク・・・
 
「・・・う・・・うま〜〜〜い!!」
 
 
宮川大輔の声が聞こえてきそうでした。
そのまま汗だくで吸い続けます。
 
 
「吸ってくれてありがとう!
 上手だね〜!
 嬉しいよ〜!
 助かるよ〜!」」
みんなで声をかけます。
すると赤ちゃんはその反対側のおっぱいも、
パクッとゴクゴクごく・・・。
大大大成功です!
 
 
ベストなタイミングだと感じたら、
環境を変えてみる
いつもと違うことを試してみる
赤ちゃんに話しかけながらやってみる
諦めない
 
 
その後、このママさんは一人でも直接飲ませられるようになり、
なんと母乳だけで育つようにまでなったのです。
これまでの努力や家族のサポートがあったので、
ママさんやご家族の喜びは、とても大きいものでした。
 
 
『青空レストラン★』
 
 
これからの時期は、汗だくになるかもしれませんが、
マンネリ化した時にはオススメですよ!
虫にもご注意!
 
 説得? 脅迫?  笑顔で実施中(^ ^)
 
 
今回のスポ根劇場は、全ての人に良いわけではありません。
そしてむやみやたらにやるのは、絶対に絶対にNGなのです。
 
 
ママの気持ち
ママの体力
ママのおっぱい
赤ちゃんの体重
赤ちゃんの吸い方
赤ちゃんの理解度
ママと赤ちゃんの絆
 
 
全てがベストな状態になるまでには、
長い長〜い道のりがありました。
 
 
ママのやる気を維持するエンパワー
ママの体力を維持してもらうサポート
ママのおっぱいの分泌を良くする搾乳
赤ちゃんに無理のない補足
赤ちゃんの吸い方を上手にするスキンシップとサックトレーニング
赤ちゃんの成長を観察できる関わり
ママと赤ちゃんの絆を強める、スキンシップと愛着行動
このママさんと一緒に全て続けて来ました。
 
 
その努力の甲斐あってのアタックチャンス!
「今のおっぱいならいける!
 今のこの子ならいける!」
と思えたら、スポ根劇場は解禁です。
 
 
私たちの読み通り、
全てがかみ合い、うまくいった瞬間でした。
一か八かのカケでしたが、
「アタックチャンス!」のタイミングを感じるには
これまでの継続した関わりなんだな〜と、つくづく思うのでした。
 
 
★医療者からはあきらめない。
★「ママと赤ちゃんはできる」
★ママの想いに添う
Birth Keeperの基本理念です。
 
 
ママの鉄の意志が一番大切。
今回のママさんはご家族のサポートが素晴らしく、
とても硬い意志を貫かれました。
伴走する助産師もくじけないよう、
悩んだ時に相談できる環境が必要です。
今回も助産師同士の相談があったからこそ、
ママと赤ちゃんを信じて待てたのだと感じます。
専門職同士のつながりの大切さを実感したケースでした。
 
 
このママさんの鉄の意志、
「絶対に直接母乳!」と思われた理由など、
今後アップさせていただきたいと思います。
同じ想いのママさんが多く、
悩まれている方もたくさんいらっしゃるのを痛感しております。
悩めるママさんがどんな気持ちでいるのか、
どんな気持ちで頑張っているのかを
皆さんにも知ってほしいと思います。
 
 
「吸啜キーパー」ことBirth Keeperは、
これからもママの気持ちに寄り添い続けてまいります。
みなさま、よろしくお願いします(^ ^)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
関連記事