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2018-10-04

【孫育て塾】〜祖父母と地域の役割を考える 前編〜

Birth Keeper 竹内です。
 
Birth Keeperでは定期的に『孫育て塾』を開催しています。
 
なぜかメディア取材の申し込みがあるのは『孫育て塾』なので、社会的にも子育てにおける祖父母の活躍は注目を浴びているのでしょう。
 
 
おじいちゃんおばあちゃんの中には
「30年前には私だって子育てしたんだから大丈夫よ〜」
とおっしゃる方と
「今の育児の仕方がわからないから教えて〜」
とおっしゃる方の2通り。
 
前者、おっしゃる通りです!
後者、育児の仕方はほぼ同じです!
 
そうです。
産後に大切だと言われていることは、昔とほぼ変わりません。
 
抱っこをして愛情を注ぎ、栄養を与え、自分も栄養のあるものを食べ、産後はできるだけ養生をする。
赤ちゃんは沐浴をし、紙おむつはなかったから布おむつを交換し洗濯。
 
ふむふむ・・・確かにほとんど同じやな。
紙おむつができた分、だいぶ楽になったんちゃうの?!
 
 
では、なぜ今『孫育て塾』が注目を浴びているのでしょうか。
 
ご存知の通り、近年【産後うつ】が問題視されています。
 
以下、産経ニュースより
 
平成27~28年に102人の女性が妊娠中から産後にかけて自殺しており、妊産婦死亡の原因の中で最も多いとの調査結果を国立成育医療研究センターなどのチームが5日、発表した。うち92人が出産後の自殺で、35歳以上や初産の女性の割合が高かった。
 妊産婦死亡の全国的な調査は初めて。子育てへの不安やストレスによって起きる産後鬱(うつ)が原因の一つと考えられ、チームは「身体だけでなく心の問題も気軽に周囲の医師や保健所などの行政機関に相談してほしい」と呼び掛ける。
 調査は27~28年の妊娠中から産後1年未満の女性について、人口動態調査票のデータを分析。死亡した357人のうち、102人が自殺。このほかは、がんや心臓、脳神経の病気や出血による死亡が多かった。
 産後の自殺者92人について調べたところ、約半数が35歳以上で、65%が初産だった。無職の世帯の女性も多かった。自殺の時期は産後1年を通して 起きていた。
 
 
 
妊娠中に合併症のリスクを乗り越え、命がけで出産を乗り越え、やっと育児・・・からの母親の自殺。
子どもを虐待してしまう母親。
 
 
   何が悪いのか
   何が変わったのか
 
 
妊娠中に「産後のサポートは(妊婦さんの実家からの)?」と尋ねると、
 
①同じ市内に両親が住んでいる
父は定年退職後も勤務中、母もバリバリ働いているが、何かあれば手伝いに行くからと言ってくれている。
 
②両親は県外在住
夫は仕事で忙しいので、出産から1か月間は泊まり込みで実母がサポートしてくれる予定。
 
③両親は県外在住。
実母は祖母の介護をしているので、産後の手伝いは全く期待できない。
自分たちでなんとかしようとしている。
 
①〜③は、あるあるですよね。
 
3つを見て、③だけに「このママ大丈夫?」と思ってはいませんか?
子育てをしていく上でのサポートを考えると、この3つともハイリスクなのです。
 
サポーターが「近くにいる」ことはとても大切です。
それ以上に、産後にサポートが「得られる」状況なのかを一緒に考えなくてはなりません。
 
 
産後は1か月だけしっかりサポートがあればいいのでしょうか?
産後うつの発症は産後3〜4か月に多く、産後1か月健診では異常がないことも多いのです。
 
 
そうは言うけれど、昔は女性が一人で家事・育児を担当していたじゃないか・・・と思われるかもしれません。
昔の女性は家仕事がほとんどでしたが、地域でのコミュニティがしっかりしていました。
ご近所で「大変な時は お互い様」の関係があったのです。
 
近年は働く女性の割合が増加し、夫の転勤なども多く、ご近所との繋がりが薄くなっています。
 
 
実家で出産して1か月手厚いサポートがあったとしても、自宅に戻るとともに家にこもり日中は赤ちゃんと二人きりで過ごす。
夫の帰りは遅い。
 
心が壊れるのも当然ではないでしょうか。
 
私も産後2か月の時に、もれなく『産後うつ』発症。
夕方になると立ち上がれなくなり、ため息しか出なくなったのです。
 
問題なのは、自分ではこの症状を「おかしい」と思わないのです。
幸い、私の時は夫が「おかしい」と気づいてくれ、「いいから実家に帰りなさい」と言われました。
それでも「私は大丈夫なのに・・・」と思っていました。
 
実家に帰った私。
「そういえば・・・何日も大人と喋っていない」ということに気づきました。
SNSで会話していても、声を出していなかったのです。
 
「話す」ことは「離す」「放す」ことだと言われます。
祖父母や地域の人が「はなし相手になる」ことが、とても大切なのだと思います。
 
明日は、祖父母や地域の人ができることを具体的に記したいと思います。
                      
       ・・・つづく・・・
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